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第七回~スキマ~

  • 2016年9月14日
  • 読了時間: 5分

第七回ないとあならいず

〜スキマ〜

(ツキの部屋のクローゼットの扉を見て)

昴「若干、隙間開いてるじゃん」

ツ「隙間?ああ、あれね」

昴「ああいう隙間をさ、発見するとさ、すごい気になってしょうがなくならない?」

ツ「なる」

昴「そういうさ、くだらない話とかどう?(テーマ)」

ツ「いいんじゃない?」

(ってことで特にテーマを決めずに話し始めた今回)

昴「そう、なんかさ、ふすまとか」

ツ「うん」

昴「開いてると、こう、目玉が中からこっちを見てるんじゃないかとかさ」

ツ「うん」

昴「ちょっと探しちゃうじゃん」

ツ「うん」

昴「とかさ、全然隙間は絶対動いてないはずなのに、ちょっとずつ開いているような気がするとか」

ツ「それはわかんないな(笑)」

昴「そういう気にならない?(笑)」

ツ「ちょっと開いてるのは気になる」

昴「でもさ、なんか怖いものを見たあととか」

ツ「うん」

昴「布団から手を出して寝るの怖いとかさ、足出せないとか、あるじゃん」

ツ「ああ、あるある」

昴「そういう、人の思い込みで、普段何とも思っていない物が怖く感じたりするのってちょっと不思議だよね」

ツ「うん」

昴「逆もあるけど。なんか、朝の星座占いでさ、例えば、山羊座が今日1位です、とか」

ツ「うん」

昴「そういうのを見た日なんかは、ちょっとなんか良い事あると、ああ今日山羊座1位だからだ、みたいな(笑)」

ツ「うんうん」

昴「そういう、思い込み?」

ツ「思い込みね。うーん、よくある。」

昴「なんか、人ってお気楽だなあって」

ツ「はは(笑)左右されやすいのね」

昴「そう、だからパワーストーンとかもそうじゃん、パワースポットとか」

ツ「うん」

昴「良い、気を、運んでくれるとかさ」

ツ「うん」

昴「そう思っておけばなんか。まあ、だから一種の宗教みたいな感じだよね」

ツ「うんうん」

昴「もはや」

昴「だから、結局こういう隙間が怖いって感じるのもさ、そういう怖い映画とかの影響であって、実際にそこから誰かが覗いているシチュエーションなんかまず無いじゃん」

ツ「うん、そうだね(笑)」

昴「だから、もし、そういう映像とかを見なければきっと、この隙間を怖いと感じることは無かったんじゃないか、とか」

ツ「あー、でもどうだろう、想像があるからね」

昴「でもさ、思い付きもしなくない?なんか、そういうシチュエーションがある怖い話とか見てなかったら。この中に誰か人が居て、そういう得体の知れないものが見てるかもしれないっていう発想すら浮かばないんじゃないかなって」

ツ「えー、そうかなぁ」

昴「だってさ、逆に言ったらさ、例えばあそこのギターホールとかさ」

ツ「うん」

昴「あそこから例えば手が出てくるような動画があったら、あれも怖く感じるじゃん」

ツ「確かに」

昴「でも、そういうものを今まで見たことないから、あのギターホールは怖いと感じないわけじゃん」

ツ「うん」

昴「それと同じじゃねって」

ツ「なるほどね」

昴「ちょっと、そう考えたら面白いなぁって」

ツ「なるほどね」

昴「うん」

ツ「えー、もう、想像したら怖いわ、ギターが」

昴「(笑)」

ツ「そんなの想像したことなかったから怖いわ(笑)」

昴「だろお?だから結局、全て思い込みが多いなって、人間は。だから、知識をつければつけるほど、左右されやすくなるのかなって」

ツ「うん」

昴「思ったりしてしまうわけですよ」

昴「だから私は、小さい頃に見た映画でさ」

ツ「うん」

昴「なんの映画か覚えてないんだけど、誰も座っていないピアノの鍵盤が、勝手に動いてる、メロディを奏でてるシーンがすっげえ怖かったの」

ツ「うん」

昴「だからそれ以降、ピアノを見ると、そのシーンを思い出して、ピアノの鍵盤を見るのが怖かったのね」

ツ「うん」

昴「もうなんか、勝手に動くんじゃないか、みたいな」

ツ「うん」

昴「でもその映画を見なければきっと私は、鍵盤は怖くなかったわけよ」

ツ「うん」

昴「それも同じだし」

ツ「そうだね」

昴「うん」

ツ「トラウマってやつだね」

昴「だから逆に、そういう負の思い込みよりも、プラスの、正の思い込みで自分の身を固めてしまえれば、結構世の中ハッピーになるんじゃないかって」

ツ「うーん」

昴「どう思います?」

ツ「そうだねぇ…でも一回見ちゃったからなぁ、拭われないよね」

昴「うーん」

ツ「記憶にもう、焼き付いてるから」

昴「逆にさ、その思い込みを無理やり変換させてさ」

ツ「うん」

昴「例えば、ふすまの中に居るおばけに会えたらハッピーみたいな、トトロに会えるのラッキーみたいな感覚でさ(笑)」

ツ「うん(笑)」

昴「なんかそういう、自分で勝手にラッキーアイテムに変換してしまえば、逆に会いたくなるんじゃないかなって(笑)」

ツ「はいはいはい」

(ツキがやってたPS2のFF-X2で突如キャラクターが歌い出した)

ツ「ちょっと(笑)歌がやばい(笑)」

昴「ははは(笑)ちょっと(笑)」

ツ「やべえな(笑)」

昴「でもこのユウナ(キャラクター)だってさ、結局、X(前作)のイメージがあるから、こんなユウナは嫌だっていうのがあるけど」

ツ「うん」

昴「逆にこのユウナしか知らなければ」

ツ「あぁそれはそうだね」

昴「明るい子やなって終わるし」

ツ「うん」

ツ「え、でもさ、そうしたら、最初にホラー映画を思い付く人は何なんだろうね。こういうの怖いだろうなって」

昴「うん、やっぱ人は、スリルを求めてるものじゃん?」

ツ「うん」

昴「ジェットコースターがあるようにさ」

ツ「うん」

昴「だから、こういう怖いものを想像したら、きっとみんなゾッとして、スリルを楽しんでくれるんじゃないかっていう発想があるんじゃない?」

ツ「うーん、なるほどね」

昴「ホラーだけじゃなくても、逆に、その、少女漫画もそうだけどさ」

ツ「うん」

昴「非現実的な恋愛ばっかじゃん?」

ツ「そうだね」

昴「いやそんな、王子様キャラいねぇよみたいな」

ツ「うん」

昴「でも、みんなそういうものを求めてるから、そういうものが描かれるわけじゃん」

ツ「うん」

昴「ホラーも同じかなって」

ツ「うんうん」

昴「やっぱ現実には無い、けど、そういうものを求めてるっていうものを描くのかなぁとか」

ツ「うん」

ツ「あの隙間、すげー気になるんだよね、でも開いちゃうの」

昴「そうなの?(笑)」

ツ「そうそう、何回もね、私、やってんの、閉めることを」

昴「ドラえもん住んでんじゃね(笑)」

ツ「閉めてみ?反動でね、戻っちゃうの」

昴「ほんとに、、本当だ、やだね」

ツ「ほら、傾いてんのかな」

昴「(笑)」

ツ「すげー嫌だもう、私ね、そこの隣の戸棚を開けるときも、すげードキドキするもん」

昴「(笑)」

ツ「閉まっているものを開けるっていうのが私けっこう怖い」

昴「あー」

ツ「うん、トイレも無理、フタ」

昴「私、開けてるものが勝手に閉まるのがもう、すごい嫌だ」

ツ「開けているものが…?」

昴「風とかで勝手に閉まったりするじゃん?」

ツ「あーはいはい」

昴「あれになった瞬間もうね、パニックでドアぶち壊そうかと思う」

ツ「ちょっと動いちゃうやつね(笑)」

昴「なんかまとめようか」

ツ「どうぞ」

昴「…日々の、周りのものは結構、思い込みによって左右されているのが多いんだろうなって感じた、ツキの部屋の扉の隙間でした。」

ツ「(笑)」


 
 
 

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